「たばこをやめたくないが、切断は嫌」とPRP療法を求めるのは本末転倒。さらに「150平方センチ以上の広範囲の症例」など、いくつかの項目に該当する場合はPRP療法でも治癒が難しいと研究でわかっているため、治療を希望する前にチェックが必要だ。
「PRP療法の希望者には、皮膚潰瘍の治療がそもそも正しく行われていないケースも少なくありません。まず傷の専門家である形成外科を受診し、現在の治療が適切かを確認することを勧めます」(菅谷主任医長)
PRP療法は先進医療の承認を受けており、同大での治療費は約10万円(2クール)かかる。
■注意するべきことは
美容目的を筆頭にPRP療法を行うクリニックもあるが、PRP作成や使用の間違いなどによるトラブルの報告もある。難治性の皮膚潰瘍においては先進医療の承認を受けている医療機関で受診すべき。今後、全国数カ所の大学病院などで実施予定だ。