脳出血は、高血圧の人に多いという点では脳梗塞と同様ですが、コレステロールが高いとなりやすい脳梗塞とは逆に、コレステロール値の低い人に多いことが、日本人だけでなく、米国人を対象にした研究でも示されています。
脳出血は戦争を境に、ここ数十年で急速に減少していることが示されていますが、これは高血圧の治療の普及とともに洋食が広がり、乳製品や卵、豚肉、牛肉などからコレステロールをしっかり取れるようになって激減したのです。
今では健康的と考えられる「菜食が多く、獣の肉を食べない食事」は、あまりに極端な方向に向かうと、戦前の日本食のように脳出血の危険が高まるかもしれません。日本人で脳出血が大幅に減った背景も、和洋折衷の食事の普及が大きな役割を果たしているのです。
数字が語る医療の真実