食品と薬の飲み合わせが「悪い」ケースとして最も代表的なものは、「グレープフルーツジュース」と「カルシウム拮抗薬」です。カルシウム拮抗薬は降圧薬の一つで、血圧を下げる薬です。
普段からカルシウム拮抗薬を服用されている方は、「グレープフルーツジュースと一緒に飲んではダメ」だということは認識されていると思います。
ただ、正確に言えば「カルシウム拮抗薬を飲んでいる間はグレープフルーツジュースを飲んではダメ」なのです。
薬は腸から吸収されます。グレープフルーツジュースを飲むことによって、腸で薬の代謝に関係しているCYP3A4と呼ばれる酵素の働きが阻害されます。
すると、薬の吸収量が増加し、血管から入って全身に回る薬の量が増えてしまうのです。水と比較して、4倍増えたという報告もあるくらいです。
つまり、薬が体にたくさん入ることで飲みすぎと同じ状態になり、「効きすぎてしまう」のです。降圧薬が効きすぎてしまうと、ふらつきなどが起きて危険ですから注意が必要です。
ちなみに、グレープフルーツジュースを飲んだ後、その影響がなくなるまでには3~4日かかるとされています。カルシウム拮抗薬は毎日飲む薬ですので、服用中はグレープフルーツジュースを飲んではいけません。
では、オレンジジュースはどうでしょうか。患者さんからもよく質問されますが、オレンジなら問題ありません。ほかにも、ミカン、ユズ、レモン、カボスは大丈夫です。逆に、夏ミカン、ハッサク、ブンタン、スウィーティーは、グレープフルーツと同じくNGです。
加齢とともに血管が硬くなることで、誰しも高齢になると血圧は上がってしまいます。カルシウム拮抗薬は降圧薬の中でも一般的な薬ですので、服用している人はたくさんいます。「効きすぎ」を防ぐために、食品にも注意してください。
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