つまり、住んでいる県によっては、受けられる手術が限られてしまうということです。いざ手術となったとき、腹腔鏡やミニマムを選択したい場合は、他県の病院に入院せざるを得ないこともあるのです。
全手術数で見た都道府県間の格差は、どのくらいあるのでしょうか。各県の手術の合計数と男性人口から、男性10万人当たりの手術数を計算して〈表〉にまとめました。また、前立腺がんの死亡率(男性10万人当たりの年間死亡人数)を併せて載せておきました。
■手術数と死亡率は関連なし
手術がもっとも多かったのが香川県で、男性10万人当たり257件も行われていました。次いで熊本県、鹿児島県、広島県の順です。しかし上位の県には、これといった傾向は見られません。あえて言えば、西日本のほうが前立腺がんの手術に積極的、と言えるかもしれない程度です。手術が少ないほうでは三重県が最下位で63件、次いで富山県、新潟県の順です。こちらも地域的な傾向は見られません。
明細書が語る日本の医療