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腹式呼吸は体に良いのか

 ヨガや気功などに用いられる「腹式呼吸」は本当に体に良いの? 池袋大谷クリニック(東京都豊島区)の大谷義夫先生に聞きました。

「腹式呼吸は呼吸が深くなりやすく、酸素を効率的に取り入れるために有効です。体に酸素をたくさん取り入れると、良い効果がいろいろあります」

 人は睡眠中に自然と腹式呼吸をしていますが、起きている時はたいてい胸式呼吸になっているといいます。

 それでも胸を広げた良い姿勢なら深い呼吸になりますが、現代人の多くは肺が潰れるような猫背の姿勢をしているので、浅い呼吸になりがち。それは、常に“軽い酸欠状態”にあることを意味するのだそうです。

「酸素が欠乏していると、ブドウ糖や脂肪が代謝しづらく、疲れやすく痩せづらい体になってしまいます。血行不良にもなり、冷え性や肩こりも起こりやすくなります」

 1日の呼吸回数は約2万回。それだけに、一回一回の呼吸を深くすることに意味があると大谷先生は言います。では、腹式呼吸を意識的にするためには?

「息を吸うときにお腹を膨らませて、吐くときにへこませるのが腹式呼吸。お腹に手を当てて、意識的に膨らませたりへこませたりするといいでしょう」

 その際、ゆっくり息を吐くと副交感神経が優位になり、リラックス効果も得られます。より多くの空気を取り入れるためには、鼻から吸うのが効果的です。