高血糖状態を放置していると、徐々に心筋が衰えて心機能が低下し続け、気づかないうちに心不全などを招く場合があるのです。
つまり糖尿病には、動脈硬化を促進して冠動脈疾患につながるケースと、動脈硬化がそれほど進んでいない状態でも心筋症を引き起こすケースという2つの心臓疾患リスクがあるということになります。
予防するためには、まずは、自分が高血糖ではないかをしっかり確認してください。無自覚なまま血糖が高い状態を放置している人も少なくないので、自分だけは大丈夫だと思い込むのは禁物です。空腹時血糖値「110㎎/dl未満」、HbA1c「6.0%未満」が基準値になります。これを超えるようなら、生活習慣の改善や治療を受けるなどして血糖をコントロールすることが重要です。
食後に急激に血糖値が上がるような食生活を繰り返していると、血管の負担が増え、さらに動脈硬化が進んでしまいます。HbA1cの数値が良好でも、血糖値の振幅が大きい患者は心筋梗塞で死亡する割合が高いという報告もあります。食事をする際は、空腹時に一気にドカ食いすることを避けたり、まず食物繊維が多い野菜などから食べ始め、炭水化物は最後に食べるようにするように心がけましょう。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」