手術の前に…逆流性食道炎は「ARMS」で治すという選択肢

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 それでも、外科手術という確立された選択肢があるので、内視鏡治療は積極的に行ってこなかった。しかし一方で、「薬は効かないが外科手術は嫌」とつらい症状を抱え続ける患者がかなりいる。そのため、3年ほど前から逆流性食道炎だけの患者にも内視鏡治療を実施するようになった。

 現時点で、ARMSを受けた患者は70人いるという。

「薬物療法では効果がない患者さんが対象です。ただし、食道と胃のつなぎ目が緩み、それが胸の方に『滑脱(ずれ)』している場合は、従来の外科手術になります」

 条件を満たしていても暴飲暴食や早食いがやめられないような人には、井上医師は外科手術を勧めている。それらの生活習慣は、ARMSの効果を弱めるからだ。

「外科手術で期待される効果が100点だとしたら、ARMSは70点。十分に合格点ですが、生活習慣によっては向いていない人もいるのです」

3 / 4 ページ

関連記事