独居を楽しむヒント

データが後押し 長生きしたければ“一人飲み力”を養うべし

■アフター5で飲むスタイルにも当てはまる

「東京医科歯科大のデータが示しているのは、社会性の違いです。たとえば、一人暮らしの人が一人で飲み歩く姿は一見、孤独のようでも、店で常連客や店員とのコミュニティーを築けていれば、社会性は十分。それに比べて、家族同居とは名ばかりで、どこに出掛けても直行直帰、会話もないような夫婦の食卓は社会性に欠けます。必ずしも家族形態が重要ではないということです。三浦敬三さんの事例は、まさにそういうことを示しています」

 アフター5で飲むスタイルにも当てはまるだろう。複数で店に繰り出しても、毎回毎回メンツも店も同じ人は、相手がいなければ飲みに行けないから家族同居がリスクになるタイプ。社内で「あいつは寂しいヤツ」と揶揄されても、一人飲みの選択肢がいくつもあるタイプは、ハッピーロンリーといえるだろう。

「現役のうちから一人飲み経験を重ねておくといい。それが、独居でもハッピーロンリーになる近道です」(米山氏)

 母に先立たれた父親が、ショックでふさぎ込んでいるなら、「頑張れ」と言葉で勇気づけるより、父親が好きそうな赤ちょうちんを探して、連れ出す方がよさそうだ。

3 / 3 ページ