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【人間ドック】筑波大学附属病院・つくば予防医学研究センター(茨城県つくば市)

筑波大学附属病院・つくば予防医学研究センターの武川寛樹副院長と人間ドックの
筑波大学附属病院・つくば予防医学研究センターの武川寛樹副院長と人間ドックの(提供写真)
豊富なオプションと研究機能付きが新たにスタート

 筑波大学付属病院が大学病院の機能をフルに生かした「人間ドック」をスタートさせた。

 検査を行うのは、院内に併設された「つくば予防医学研究センター」。基本コースの料金は、経鼻内視鏡による胃カメラが付いたコースが6万6960円(税込み、以下同じ)。胃カメラのないコースは5万4000円だ。

 同センター部長を兼任する武川寛樹副院長(歯科口腔外科教授)が言う。

「診察・検査にあたるのは、臨床現場で経験を積んだ豊富な知識とスキルを持つ医師、看護師、技師。画像検査の結果は、各専門医がダブルチェックします。そして万が一、がんなどの深刻な病気が見つかれば、そのまま大学病院の保険診療の治療にスムーズに移ることができます」

■7つから選択、追加もOK

 異常がなかった場合のフォローアップも用意されている。

 より一層の健康増進を図るために、希望者は大学内の施設「つくばスポーツ医学・健康科学センター」でエビデンスに基づいた食生活や運動などの指導が受けられる。「食事・栄養・運動相談」の料金は6480円。併設ジムで行う運動療法士(トレーナー)による「個別運動管理指導」は1万800円だ。

「当センターの人間ドックは、オプションのメニューが豊富なのも他院と違うところです。『がん検診』は、アミノインデックスによるスクリーニングやPET検査など7つの検査から選べます。『心臓ドック』『脳ドック』『口腔ドック』も加えることができます」

「アミノインデックス」(2万7000円)は、血液中のアミノ酸濃度を測定し、そのバランスの違いを統計的に解析することで、現時点のがんであるリスクを評価する。複数のがんを同時に検査することができ、結果はランクA~Cの3段階で表示される。最も人気の高い「脳ドック」(4万3200円)は、「脳MRI」「MRA(脳の血管造影)」「頚動脈エコー」を行う。

 基本コースの検査時間は8時半~11時半で、当日に分かる血液検査データなどの結果説明や生活指導をその場で医師がしてくれる。終了後は、用意された昼食(高級弁当)を取り、希望者は午後にオプション検査をする。検査の種類や状況によっては、当日にオプション検査ができない場合もあるが、原則、3カ月以内には受けられるという。

「画像検査などを含めた詳しい検査結果は、3~4週間後にご自宅に郵送されます。病気が見つかれば当院で継続して治療しますが、重症でない生活習慣病などでは、かかりつけ医に紹介状を出すこともできます」

 同センターの人間ドックのもうひとつの大きな特徴は、全国でも珍しい「予防・先制医療の研究を行う」こと。同意の得られた受検者の疫学データやヒト試料(血液など)を保存し、病気の発症予測や発症の遅延・防止の研究に役立てる。研究内容はホームページで公開し、同意後でも受検者が利用を拒否できる仕組みも整えている。

「いまは検査日が週3回で、1日最大12人を受け付けているので年間で約1800人。将来的にはもっと検査日を増やし、病気の罹患・重症化予測システムやがんの早期診断マーカーの開発などに役立てていきたいと考えています」

■データ
本院は1976年開院。同センターは人間ドックを行う施設として2016年10月設置。
◆スタッフ数=専属医師3人、兼任医師2人
◆人間ドックの検査日=月・水・金(検査人数は1日最大12人)