前立腺がんは凍らせて殺す 国内初治療を行った医師に聞く

凍結治療は腎臓がんなどでも行われている(提供写真)

 現段階では「放射線療法後の再発」の患者だけが対象だが、今後は変わるかもしれない。前立腺がんはごく早期の場合、特別な治療をせずにPSAで経過を観察する「監視療法」の選択肢もある。凍結療法は、監視療法の「次」の治療の一つとして期待されているのだ。

「フォーカルセラピー(部分治療)といい、すでに欧米では行われています。全摘手術や放射線に進む前に、それより低侵襲な治療法、つまり凍結療法などが検討される。日本でも今後注目されていくでしょう」

 なお、凍結療法は自費診療になり、150万円ほどかかる。凍結療法と並ぶ「放射線療法後の再発」に対する低侵襲の治療として、三木医師はヨウ素を前立腺内に挿入する「小線源療法」も行っている。小線源療法は放射線治療の一種だが、照射不十分の部位へ2度目の施術が可能。こちらは保険適用だ。

◆前立腺がんの凍結療法は、現在2泊3日の入院で行っている。「放射線療法後の再発」であっても、ホルモン療法をすでに開始している人は対象外。

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