乳がん患者が増えているのは先日見た通りですが、あまりの急増ぶりには首をかしげたくなります。それについては、「乳がん検診による『患者狩り』の影響が大きいのではないか」と指摘する専門家も大勢います。
厚労省は40歳以上の全女性に、2年に1度は乳がん検診(マンモグラフィー)を受けるように呼び掛けています。乳房をプラスチックの板で挟んでのばし、X線写真を撮影する方法で、見落としが少なく検出率が高いといわれています。有名人の乳がんが報道されたこともあって、年々検診率が上昇していますが、それに比例するように乳がん患者も増え続けているのです。
この問題は欧米ではすでに数年前からいわれており、「過剰診断」「過剰治療」でかえって健康を害してしまう人が大勢いることが明らかになりつつあります。しかし、早期発見によって助かる人もいるので、検診結果の利益と不利益のバランスをどう取っていくかが重要な課題になっています。
明細書が語る日本の医療