■子供の成長への影響は?
◆病院でなければ危険?
日本では硬膜外鎮痛剤を背中に注射して痛みをゼロにするところもあれば、痛みを残して出産時の「いきみ」ができるように麻酔の量や種類を変える「和痛分娩」を行うところもある。それぞれの医療機関で若干の手法の違いはあるが、基本的な方法は確立しているという。
「最近は無痛分娩を手掛ける医療機関も増えています。しかし、病院であれ、クリニックであれ、医師、看護師、助産婦の経験が少ないところもあります。施設間に違いがあるとすれば、その差でしょう。今回の提言は、無痛分娩を手掛ける医療機関に対する注意喚起であって、無痛分娩が危ない、病院の方が安全ということではないと思います」
◆鉗子・吸引分娩で子供が傷つく?
もちろん、無痛分娩には通常分娩にはないトラブルがある。硬膜外鎮痛剤の副作用として「足の感覚が鈍くなり、足に力が入らなくなる」「尿意が少なくおしっこが出にくい」「かゆみが出る」など。ほかに、「麻酔が思ったように効かなかった」「麻酔が効き過ぎたせいでうまくいきめずに子宮収縮がうまく行えず、鉗子や吸引分娩になった」「すぐ治ったが鉗子や吸引分娩で赤ちゃんの頭部に擦過傷ができた」などがある。