Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

雛形あきこさんは除菌成功のピロリ菌 胃がんとの関連は

ピロリ菌の除菌な成功した雛形あきこさん(C)日刊ゲンダイ

 日本より30年早く冷蔵庫が普及した米国で、胃がんの患者数は白血病やすい臓がんより少ない。日本も胃がんの患者数は低下傾向で、さらに除菌が普及すれば、胃がんは“過去のがん”になるでしょう。

 ピロリ菌がいなければほとんど胃がんにならないと書きました。そのひとつに、難治性といわれるスキルス胃がんがあります。高齢者の場合は、除菌に成功しても、過去に感染した“履歴”が消えるわけではありません。ですから、除菌後も禁煙や減塩を心がけ、胃がん検診も大切です。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。