有名病院 この診療科のイチ押し治療

【間質性肺炎】東邦大学医療センター大森病院・呼吸器内科(東京都大田区)

東邦大学医療センター・本間栄教授(写真右)と肺のレントゲン写真/(提供写真)

「IPFでは、唯一有効性が証明されているのは『抗線維化薬』で、現在2剤(内服)あります。効果には個人差がありますが、進行の抑制や生存率の改善が期待できます。ただし、食欲不振、下痢、肝機能障害、光線過敏症などの副作用があるので、細かく対策を取りながら治療を継続させていくことが大切になります」

 また、風邪やインフルエンザなどの感染症は急性増悪の引き金になるので、うがいや手洗いの徹底、予防接種を行う。喫煙者なら肺がん予防で禁煙治療も必要になる。

「リウマチ性間質性肺炎の中には、IPFに似て予後の悪いタイプなどもあります。ですので、膠原病科、リハビリ科、呼吸器外科、麻酔科など、間質性肺炎に関わるすべての診療科との連携を緊密にとっているところも当センターの特徴です」

 間質性肺炎は初期では無症状のことも多いが、CT検査の普及によって初期でも見つかる人が増えているという。受診先に困ったら相談してみてはどうか。

■データ
東邦大学医学部の3付属病院のひとつ。
◆大学のスタッフ数=医師10人
◆年間初診患者数(2016年)=1083人
◆間質性肺炎の入院患者数(2015年)=322人

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