脳卒中と言ってもいろいろあります。大ざっぱに分ければ、血管から出血する「脳出血」と、血管が詰まる「脳梗塞」の2つがあります。日本人の脳卒中は、ここ数十年で大幅に減少したとはいえ、いまだ脳出血が多いという特徴があります。
欧米のデータでは、脳出血は脳卒中全体の数%という報告が大部分ですが、日本の脳卒中データバンクの報告では14%となっています。欧米では無視できるような脳出血が日本では大きな問題になるかもしれないのです。
たとえばコレステロールをスタチンという薬で下げることにより、血管が詰まる脳梗塞は20%程度予防できることが示されています。100人の脳卒中が起きる集団に対して、コレステロールを治療したときにどういう結果になるか日本人の割合で計算してみると、86人が脳梗塞、14人が脳出血です。脳梗塞の予防効果は20%ですから、86人から70人くらいに減ることになります。
数字が語る医療の真実