味覚障害、子供の低身長…亜鉛欠乏症が原因かもしれない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「薬の登場で亜鉛欠乏症の認知度が高まれば、ほかの治療法でうまくいかなかった患者さんにも、症状の改善が期待できます」(児玉教授)

 亜鉛欠乏症は、年代によってよく見られる症状が異なる。乳幼児で多いのが皮膚炎、体重・身長の増加不良。小児では低身長、食欲不振。成人・高齢者では味覚異常、食欲不振、性腺機能不全、貧血、骨粗しょう症、傷の治りの遅さ、感染症のかかりやすさ。また、妊婦では貧血や食欲不振が表れる。

 亜鉛の効果としては、ひどいおむつかぶれや皮膚炎の乳幼児が、亜鉛投与のみで劇的に症状が改善し、体重も増加したケースが報告されている。また、低身長の小児に亜鉛を6カ月投与したところ身長が伸びた。一方、未治療群では身長はほぼ変わらなかった。

 亜鉛欠乏症で味覚障害を起こしている例では、改善率(治癒+有効)は95%以上。ほかに主原因があって味覚障害も伴っている例でも改善率は85%以上だった。口内炎、脱毛、2型糖尿病、性腺機能低下などにも効果があることが、実験で確認されている。

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