独白 愉快な“病人”たち

B型肝炎と共に30年 石川ひとみさんが語る偏見との格闘

来年デビュー40周年を迎える(C)日刊ゲンダイ

「B型肝炎」は、咳やくしゃみでは感染しません。もちろん、握手などでうつるはずもないんですけど、当時はいろいろな誤解があってつらい思いもしました。

 今でも誤解されている人はいると思いますが、そこを嘆いていても何も解決しません。会えた人には「こういうことは大丈夫なんですよ」ってお話はしますけれど、周囲に不快な思いをさせず、病気とうまく共存していくことを考えるほうが必要なんですよね。

 私が慢性B型肝炎で入院したのは1987年、27歳のときでした。実はその1~2年前の血液検査で、B型肝炎のキャリアー(未発症のウイルス保有者)と知らされていました。経路は母子感染です。今はワクチンがあって母子感染は激減していますが、私が生まれた当時はまだなかったんです。

 キャリアーと診断した医師からは、「ケガをして血が出たときは、まず自分で血を拭ってください」といった血液の取り扱いに関する注意事項と、「定期的に血液検査に来てください」と言われた程度でした。治療は必要なく「普通に生活していい」とのことだったので、何も気に留めていませんでした。20代で元気でしたし、仕事も忙しかったので、その後、検査にも行かずじまいで……。

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