独白 愉快な“病人”たち

B型肝炎と共に30年 石川ひとみさんが語る偏見との格闘

来年デビュー40周年を迎える(C)日刊ゲンダイ

■「朝が来なければいいのに」と思うほど体がつらかった

 そしてある朝、激しい目まいで動けなくなったのです。初のミュージカル舞台を控えて連日稽古をしていた時で、疲れからくる目まいの治療として1泊入院しました。その際、血液検査をずいぶんやっていないことを思い出し、ついでに検査してもらったのです。するとすぐに「再検査」の知らせが来て、その結果、「このままの生活は難しいほど悪くなっているので、すぐに入院の手続きをしてください」と言われました。舞台初日まで約10日というタイミングでした。すぐに「はい」とは言えませんでしたが、「仕事が大事ですか? 命が大事ですか?」と医師に問われ、断腸の思いで舞台を諦めざるを得ませんでした。

 思い返せば稽古中から疲れが取れず、「朝が来なければいいのに」と思うほど体がつらかった。でも、「これが初ミュージカルのプレッシャーか」と思って、「弱いわ、こんなことじゃいけない!」と奮い立たせていたんです。ハードな稽古なのにお昼がきても食欲がなく、体力がどんどん落ちていっても「精神の弱さ」だと思い込んでいたんですよね。

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