受診までの「応急処置」

【鼻血の止血】小鼻を親指で強く圧迫する

首の後ろをたたくのは全くの間違い(C)日刊ゲンダイ

「止血の基本は圧迫です。ですから出血している側の小鼻(膨らんでいる部分)を親指で強く押さえてください。15~30分くらい押さえます。これでほとんどの人は出血が止まるはずです」

 親指で押さえている間に鼻血が喉に流れてきたら口から吐き出す。鼻血をのみ込んでしまうと、胃壁に血がこびりついて気持ち悪くなったり、吐き気を催したりするので注意しよう。

「出血が止まっても鼻の詰め物は取らないでください。血が固まる前に新しい詰め物に替えようとすると再び出血します。それを繰り返すと余計に傷が広がって、出血が止まらなくなるのです。詰め物は翌日まで取らずに置いておく。できれば丸1日(24時間)入れておいた方が確実です」

 しかし、親指の圧迫止血を30分以上やっても止まらず、詰め物から血がしたたり落ちるようなら受診した方がいい。まれだが「白血病」や「再生不良性貧血」などの出血が止まらなくなる全身疾患が見つかるケースがあるからだ。

「鼻の奥の動脈の出血だと、自分で圧迫止血ができません。その場合、口の中からタンポンを詰めたり、レーザーで粘膜を焼いたりする治療法があります。また、脳梗塞や心臓病で抗血栓薬を飲んでいる人は出血が止まりにくいので、薬の種類など主治医に相談する必要があります」

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