大腸がん、食道がん…抗菌剤の3剤併用療法で予防できるか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 すでに胃がんはピロリ菌除菌により予防できることがわかっている。ピロリ菌に詳しい都内の消化器病専門医が言う。

「ピロリ菌に感染していない人は胃がんになりにくいことが知られています。ピロリ菌はアンモニアのバリアーで強烈な胃酸から身を守りながら、胃の細胞の表面にとりついてタンパク質を装った毒素を注入。胃の細胞の増殖を制御する分子にくっついて細胞増殖を起こします」

 このような状態になると、人はアポトーシスというシステムを発動させて細胞を「自爆」させ、身を守ろうとする。その結果、胃の細胞が“間引き”されて胃酸の量が減り、結果的に胃の粘膜が萎縮してがんになりやすい状態になるという。

「ピロリ菌に感染した人が全員胃がんを発症するわけではありませんが、お酒やたばこなどの生活習慣や遺伝などの要素が加わると胃がんリスクが高まるといわれています」(前出の専門医)

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