明細書が語る日本の医療

大腸がん手術の病院は「結腸」「直腸」とも首都圏に集中

首都圏希望の地方患者は数カ月待たされる(C)日刊ゲンダイ

■首都圏希望の地方患者は数カ月待たされる

 2014年度における結腸がんの手術件数は全国で約6万7000件、直腸がんの手術は約3万1000件でした。結腸がん手術の実績があるのは1325病院。年間手術件数が100件を超えるのは159病院で、約2万3000件(全手術数の約34%)をこなしています。残りの1166病院で4万4000件を行っているのですが、年間30件以下の病院が553施設もあり、文字通り「ロングテール」の様相を呈しています。

 直腸がん手術は全国で約3万1000件。全国913病院で手術が行われました。しかし年間100件以上は45病院に過ぎず、手術件数は合計約6600件(約21%)にとどまっています。しかも年間30件以下が513病院。結腸がん以上にロングテール状態にあります。

 地方の大腸がん患者が、首都圏の実績のある病院で手術を受けるためには、数カ月は待たされそうです。その間にもがんは進行しますから、無理せず近所の病院で切ってもらうほうが賢明かもしれません。とはいえ、手術実績の乏しい病院では不安が募ります。地方の県では、手術を行う病院を県内の数カ所に集約するなどの対策が必要です。

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永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。