病院は本日も大騒ぎ

隔離は有名無実? 結核の患者さんが食堂でコーヒータイム

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 結婚してから看護師の資格を得て現在、関東圏の総合病院に勤務しているマサヨです。

 入院中の患者さんは例外なく、病院内のさまざまな規則を守ることになっています。でも、そうした規則を平気で破る患者さんも少なくありません。ある日、遅い昼食をとるために、病院内の食堂に行きました。たまたま親しい看護師も食事中でしたので、同じテーブルに座ったのです。

 私とほぼ同年齢の彼女は、感染症棟や結核棟を担当している看護師でしたから、自然に会話は結核になりました。

 結核に感染する確率は看護師が普通の人より2~3割高いといった話をしているとき、「奥のテーブルに座っている人を見て。あの人は結核棟の入院患者さんよ」と、目配せして教えてくれたのです。

 結核の入院患者さんは「排菌」をしていますので、完全隔離されています。部屋も独立空調換気が設置され、通院するときでも、公共の交通機関ではなく、なるべく自家用車を使用してください、といった病院側の指導もあります。

 こうした厳しい規律があるのに、その患者さんは一般の人も利用する病院内の食堂で、堂々とコーヒーを飲んでおりました。驚いたことにこの患者さんは救急車で入院してきたのに、少し元気が出ると白昼、病院の周囲を散歩しているというのです。

 すぐにその患者さんには注意して部屋に戻ってもらいましたが、呆れた話です。

 入院時、病院側は保菌患者さんにはいろいろな規則を守るように指導します。でも、一人一人、24時間監視するわけにもいかず、このようなミスが起きてしまうのですね。

 結核治療の患者さんは、保菌しているだけで身体的にはまあ元気です。それで一日中、ベッドに寝て静養している気持ちも理解できます。でも患者さんは、病気の重みを自覚しなければなりませんね。もちろん、病院側もきっちりとした監視が必要かと思います。