独白 愉快な“病人”たち

3年前に脳出血 ビリー・バンバン菅原孝「毎日がリハビリ」

今も精力的に活動を続ける菅原孝さん(右)と弟の進さん(C)日刊ゲンダイ

 コンサートには、僕と同じ病気やもっと重い病気の方、その家族も来てくださるのですが、みなさん声をかけてくれるんです。そうした方々のお話を伺うと、僕だけじゃない、大病を患っている方は本当にたくさんいらっしゃって、みなさん前向きに生きていることに逆に励まされます。同時に、僕が車イスで歌うことも、話すことも、こうした病気の方々へのエールになるのではないかとも思っています。

 先日は全盲で右の耳がまったく聞こえず、その上、脳梗塞を2度も経験したという20~30代の息子さんを連れたお母さんが声をかけてくれました。彼が言葉を振り絞って「頑張って」と言ってくれたときには、本当に偉いなぁ、天使だなぁと泣けました。

 実は、僕は昔から植木等さんが大好き。病気を経験したことで、彼が映画で言っていたように「そのうちなんとかなるだろう」というリラックスした気持ちがとても大切だと気づきました。好きなものを好きなときに食べて、やりたいことをやりたいときにやって……。自分が決めた“規則”に縛られずにリラックスすること。まさに「そのうちなんとかなるだろう」精神だよね。そして、いつも傍らには「ウイット」と「笑い」を。それが大事だと感じます。

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