あの話題の治療法 どうなった?

切らずに治す包茎手術 対象は仮性包茎でやり方は3つ

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 男は意外に気が小さい。“大事なところにメスを入れるなんて恐ろしくて……”“切り過ぎて勃起時に痛みが出るのではないか”――。そんな不安から余分な皮を切除する包茎手術に尻込みする人は多い。そこで考えられたのが切らずに治す包茎手術。亀頭と包皮の癒着や包皮の出口が非常に狭いなどの理由から、平常時でも手でむくことができない真性包茎は無理だが、手でむくことができる仮性包茎は対象になる。都内のクリニックで包茎手術を手掛ける医師に聞いた。

「切らない包茎手術は基本的に3つのやり方があります。1つは亀頭に包皮がかぶらないように増大させる方法です。亀頭にヒアルロン酸などの薬剤を注射します。2つ目は余った皮をペニスの根元に集めて固定する手術法です。手術用糸を使うやり方と医療用接着剤を使うやり方の2通りあります。その違いは、ペニスの根元に引き寄せる力の差です。当然、前者の方が強いので、中程度の仮性包茎でも施術可能です。後者はごく軽度の仮性包茎が対象です。ただ、効果が続かないため今は糸を使う施術法が中心です」

 3つ目は体の中に埋没しているペニスを引っ張り出して、長くすることで皮余りをなくすというやり方。「長茎術」といわれ、陰毛のあたりからペニスを支える組織を引っ張り出して数本の糸で留める方法とペニスに乗っかっている脂肪を吸引することで長さを出すやり方がある。

「日本人のペニスは平均して4センチくらいは体内に埋まっているといわれるのである程度の効果が見込めますが、医療機関によっては、余った皮をペニスの根元で手術用糸で固定する方法と併せて行っています。ただし、長茎術は技術力や経験が必要なので医療機関選びが重要になります」

■快感は維持できても効果が続くとは限らない

 切らない包茎手術は患者の不安を軽減する以外に、「性感帯が集中している包皮小帯を切らないので性感が変わらない」「糸を抜いたり、接着剤を取るだけで元に戻せる」などのメリットがある。

「ただし、意に反して糸が抜けたり、接着剤が取れて元に戻るなどして効果が継続しないこともあります。医療機関によっては“切らない包茎手術”と宣伝していても最終的には儲けの多い、従来型の切除手術に誘導するケースも多い。まずは2つ以上の医療機関で相談することです」