“新しくない”新薬が続々登場 古い薬が見直されているワケ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 この薬は60年以上前はある意味“怪しい薬”だった。「経験上、血糖が下がるといわれる物質を使った化合物をつくれば血糖が下がるだろう」と開発されたが、発売当初はなぜ血糖値が下がるのか、その仕組みさえまったくわかっていなかった。そのうえ、フェンホルミンという名の同じビグアナイド系の薬で、乳酸アシドーシスという重篤な副作用が多発。その結果、1970年代後半には全世界的に使用中止になってしまった。日本では使用禁止にこそならなかったものの、厳しい使用制限が課された。

「ところが、海外で1995年に『血糖を改善して副作用が少ない』との臨床試験が報告されたのをキッカケに状況は一変。翌年にはインスリンの効きを良くする作用が確認されました。さらに1998年には、糖尿病の合併症である脳卒中などを低下させることが報告されたのです。2005年の国際糖尿病学会のガイドラインでは、腎機能障害がなければ2型糖尿病の第1選択薬とするよう推薦されています」

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