数字が語る医療の真実

魚の脂とコレステロール 心筋梗塞などの合併症予防に効果

(C)日刊ゲンダイ

「日本人が長生きなのは魚を食べるからだ」という説があります。魚、特に海の魚に多く含まれる「EPA」(エイコサペンタエン酸)、「DHA」(ドコサヘキサエン酸)に代表されるオメガ3系脂肪酸がコレステロールを下げ、動脈硬化予防に役立っているかもしれないというのです。

 これは単なる仮説というだけでなく、それなりの根拠がある説です。

「EPA」「DHA」と「コレステロール」「心筋梗塞」「脳梗塞」との関係を示す研究があります。日本人を対象として「EPAを投与して心筋梗塞などの合併症がどれくらい予防できるか」を検討したランダム化比較試験です。

 研究では、「EPAを使わないグループ」と比較して明らかなコレステロールの低下は認めませんでした。しかし、心筋梗塞などの合併症は「EPAなしのグループ」で3.5%に対し、「EPAを飲んだグループ」では2.8%、100の合併症が89に減るという結果でした。しかし、その後に行われた欧米での研究結果を含めて検討した結論では、明らかな合併症予防効果が示されませんでした。

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名郷直樹

「CMECジャーナルクラブ」編集長。東大薬学部非常勤講師。東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員、臨床研究適正評価教育機構理事)自治医科大卒。名古屋第二赤十字病院にて研修後、作手村国民健康保険診療所にてへき地診療所医療に携わる。95年同診療所所長。05年東京北社会保険病院臨床研修センター長。「『健康第一』は間違っている」などの著書がある。