肺がんのサインかも…「咳」を正しく見極めて正しく治す

咳正しく見極めること(C)日刊ゲンダイ

「ただし咳喘息の診断には注意してください」

 そう相良教授が指摘するのは、咳喘息の誤診が増えているからだ。風邪の後などに気道が狭くなり、もともと持っていたアトピー素因や気道の反応性(気道が狭くなりやすい)が高まり、刺激に過敏になって咳が続くのが咳喘息。3分の1が喘息に移行するといわれるため早期治療が肝要だが、最近は「治らない咳=咳喘息」と安易に診断される傾向があるという。

「咳は、痰が絡む湿った咳とコンコンという乾いた咳に分けられ、咳喘息は後者。確定診断には、症状がいつ起こりやすいかという時間的な特徴、炎症を表す呼気中の一酸化窒素の量を測るNO測定、痰や血液の好酸球の量の測定、気道の反応性などが必要です」

 もしこれらが行われておらず、処方薬(気管支拡張薬)を1週間服用しても症状が改善しなければ、咳喘息ではない可能性が高い。

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