肺がんのサインかも…「咳」を正しく見極めて正しく治す

咳正しく見極めること(C)日刊ゲンダイ

 喘息で使う吸入ステロイドへの抵抗感もいまだ強いが、吸入なので作用は局所的。飲み薬と比較しても量は100分の1と少なく、安全性は保証されている。

 喘息患者には、正しく薬を飲んでいるのに症状がよくならない高齢者がいる。この場合、喘息の薬である気管支拡張薬が逆流性食道炎を引き起こしているケースもある。

「呼吸器内科医であれば、それも念頭に置いて治療法を考えます」

 喫煙者で40歳を越えていれば、咳がひどくなくてもCOPDの検査を受けるべき。長年の喫煙習慣で肺の中の肺胞が壊れ、進行すれば呼吸困難になって寿命を縮める。

「咳や息苦しさなどの症状があるはずですが、その状態に慣れてしまって自覚していない人が大半です。治療を受けている人は3%ほどです」

 なお、ここで挙げた内容は、「治らない咳」で患者が速やかに受診し、MRIや超音波で肺がんなどがないことを確認していることが大前提だ。

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