切除術を行っているのは全国で410病院に過ぎません。しかも年間50件以上となると、わずか63病院に減ってしまいます。北陸、山陰、四国、九州などには、この条件に当てはまる病院がひとつもない県がいくつもあります。たとえば鳥取県、島根県、香川県、愛媛県など肝臓がんの死亡率が高い県でも、年間50件以上の切除術を行っている病院はありません。
ラジオ波焼灼法を行っているのは484病院。年間50件以上は108病院あるので、病院探しは切除術より容易です。しかし100件以上となると、わずか34病院に減ってしまいます。しかも、そのうち11病院が東京、神奈川、千葉に集まっています。
どちらかに特化した病院が多いのも、肝臓がん手術の特徴のひとつです。たとえば「NTT東日本関東病院」「三井記念病院」「関東中央病院」などはラジオ波のみで、切除術はまったく行っていません。逆に「埼玉医大国際医療センター」は切除術のみでラジオ波はゼロ。「日大板橋病院」も切除術ではトップですが、ラジオ波は年間20件にとどまっています。もちろん「東大病院」のように、ラジオ波も切除術もトップクラスという病院もあります。
病院を探す際は、自分が望んでいる手術の件数ができるだけ多い病院を選ぶように心がけるべきです。
明細書が語る日本の医療