「がんと仕事」厳しい両立

各企業の支援体制の差 大和証券は休職中も収入の85%補償

社員にやさしい大和証券(C)共同通信社

 大和証券は営業マンの70歳定年も廃止すると発表しており、社員にやさしい企業だ。

■ヤフーは治療先で勤務の「どこでもオフィス」

 こうした取り組みをする会社は厚労省が旗振り役の「がん対策推進企業アクション」で増えている。秋田銀行は、人間ドックの日は特別休暇でお休み。ヤフーは治療と就業の両立支援のため「どこでもオフィス」という制度を設け、月5回は会社に来なくてもいい。

「ヤフーは宮坂学社長(49)自ら率先して社員の健康対策に取り組んでいる。平均年齢が35.5歳の若い会社ですが、IT業界には珍しく社員6000人の定着率は高い。会社に恵まれていると言えます。大和証券もそうですが、治療をしながら働ける職場は少なく、言ってはなんですが、外資系にはこういった福利厚生はほぼありません」(リストラ事情に詳しいジャーナリストの中森勇人氏)

 労働基準法上では、病気が「治癒」しなければ会社は社員の復職を認めず、解雇することも可能。就活中の学生は、目先の給与でなく、こうした健康対策の取り組みで会社を選びたい。

3 / 3 ページ