愉快な“病人”たち

発症11年 囲碁棋士・木部夏生さん「糖尿病と対局」語る

「対局中のインスリン調整はいまだに難しいものです」と話す(C)日刊ゲンダイ

 対局は、朝10時~夕方4時が普通です。上のクラスになればなるほど長丁場になるんですが、それでも対局の日は一日20回ぐらい血糖値を測ってしまいますね。30分おきぐらいに測って130~150を目標に調整するのですが、勝負どころでは260ぐらいになっています。こればかりは仕方ないんですよね。

 今の私があるのは病気のおかげかもしれません。負けず嫌いの性格で「病気だからできない」と言われるのが嫌だったので(笑い)。また、プロになってからは、10万人に数人しか発病しないこの珍しい病気を、もっとたくさんの人に知ってほしいとの気持ちが、「強くなりたい」というモチベーションにもなっています。

「生きていることは当たり前じゃない。すごいことなんだ」と教えてくれたのも病気です。病気があったからこそ、健康な人以上に「幸せ」を感じられるのかもしれません。

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