なぜ広まらない? 手で腰痛を治す「AKA-博田法」のいま

腰痛はつらい…(C)日刊ゲンダイ

 実はこの「仙腸関節に“遊び”がなくなることが腰痛の原因」という主張が、この手法が広まらない原因のひとつだという。

「整形外科医は仙腸関節は絶対に動かない、重機を持ってしても動かない、と教わっていますから、腰痛の仙腸関節説が認められないのです」

 仙腸関節は、今の整形外科医が頼る画像診断装置では見えにくいことも理由だ。

「徒手治療法に対する整形外科医の無理解・無関心、抵抗感も普及の妨げになっています。彼らは“徒手療法は科学的でない”と思い込んでいるのです。そもそもAKAの基本である関節運動学の講義が日本で行われておらず、仙腸関節自体が馴染みのない関節なのです」

 患者側の受け止め方にも問題がある。整体や整骨など強い徒手療法に慣れている患者にとって、腰をさするようなこの治療法は物足りないかもしれない。

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