「子宮がんが増えている」とマスコミなどで騒がれています。子宮がんは、子宮本体の内側にできる「子宮体がん」と、子宮の入り口付近にできる「子宮頚がん」に分かれます。〈表〉は今世紀に入ってからの子宮がん全体と、そのうちの子宮頚がんについて、新規患者数などの指標をまとめたものです。
2001年に約2万3000人だった新規患者が、12年には2倍以上の約4万7000人に達しました。しかも、高齢化の影響を除いた年齢調整罹患率を見ても、31.0から68.9と、2.2倍も上昇しているのですから、確かに事態は深刻そうです。
とはいえ、子宮がんの場合は「上皮内がん」を「含む」か「含まない」かの2通りの数字が用意されているのです。上の数字はすべて、上皮内がんを含んだもの。言うまでもなく、上皮内がんを加えた数字の方がより怖そうなので、マスコミ的に注目を集めやすくなります。がん検診で食っているような医療機関やがん保険を売っている保険会社にとっても、宣伝や商売に都合がいいことは言うまでもありません。
明細書が語る日本の医療