低温で増殖する細菌も 食中毒を防ぐ正しい冷蔵庫の使い方

これからの季節は特に気をつけたい(C)日刊ゲンダイ

 野菜や果物を段ボールごと冷蔵庫に入れるのはやめた方がいい。

「カビや異物混入の原因となります。冷蔵庫のドアパッキンが黒ずむのは、カビが繁殖したから。カビは低温でも増殖します」(大村氏)

 解凍は冷蔵庫内か流水で行う。常温解凍すると、細菌が食中毒の危険域にまで一気に繁殖しかねない。卵は割った状態での保存は禁物。一度に大量に作ったカレーやシチューなどを冷蔵庫に鍋ごと保存するのも避けたい。

「ウエルシュ菌と呼ばれる食中毒の原因菌は、熱に強い芽胞を作ります。そのため高温でも死滅しません。カレーやシチューなどを大量に作ると、加熱時に他の細菌が死滅してもウエルシュ菌の耐熱性の芽胞は生き残るのです。結果、室温で大量に寝かせると、温度が下がる時にウエルシュ菌が一気に増殖。その状態で2時間以上放置すると、冷蔵庫に入れても、それを食べると、小腸内で増えて毒素を放出、発熱、腹痛、嘔吐、下痢などで苦しむ可能性があります」(女子栄養大学・上田成子教授)

 大量に作った料理を冷蔵庫で保存する際は、すぐに冷えるよう小分けにして冷蔵庫に入れる。食べる前には空気が触れるようよくかき混ぜ、十二分に加熱することだ。

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