数字が語る医療の真実

かっけと栄養 幕末から明治にかけ猛威を振るった

 当時の海軍のデータを見てみると、1875年には100人中26人がかかり、そのうち陸軍では22%が、海軍においても5%が亡くなっています。

 また、83年には兵員数4673人中1212人がかっけになり、そのうち49人が亡くなるという、すさまじい状況が分かります。

 この幕末から明治にかけ猛威を振るったかっけと、それをどう克服していったかについて、栄養の問題を絡めながらこれから取り上げていきたいと思います。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。