遺伝子変異の有無で予防策が 卵巣がん治癒率アップのカギ

A・ジョリーは両乳房、卵巣・卵管を切除(C)日刊ゲンダイ

 今の段階で私たちが知っておくべきことは、次の3点になる。

■HBOC診療

 HBOCかどうかを調べる。家族に卵巣がん・乳がんの患者がいる、卵巣がん患者、若年性乳がん患者、両側性乳がん患者、男性乳がん患者などいくつかの項目があり、該当する場合は遺伝カウンセリングを受ける。その上で、BRCA1.2遺伝学的検査が必要かどうかが検討される。

「すでに発症している卵巣がん患者も対象に含まれます。また、若年性・両側性乳がん、男性乳がんは、そのものが遺伝的リスクが高いと評価されます」

■リスク低減卵巣卵管摘出術(RRSO)

 卵巣・卵管を摘出する手術だ。

「卵巣がんを発症していない人でBRCA1.2の遺伝子変異が見つかれば、RRSOが推奨されます。海外の研究では、RRSOを行うと、行わない人に比べて卵巣がん発症リスクが80~90%低減、乳がんが50%低減、総死亡率が60%低減といった報告があります」

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