栄養指導のプロが指摘 減量目的の食事で「かえって太る」

ライフスタイルに合った食生活を身に付けたい(C)日刊ゲンダイ

 肥満大国・オーストラリアのクリニックなどで栄養指導を行う染原風生氏(管理栄養士)も、クライアント(患者)に対して「食事量を減らしなさい。カロリー制限をしなさい」とは言わない。指導の中心は「対策とマネジメント」だ。

 さまざまな人種が住んでいる国ということに加え、経済状況にも差があり、クライアントごとの食事情は異なる。たとえばイスラム教徒ならラマダン(断食)があり、キリスト教徒ならイースター(復活祭)の時に食べるものが決まっている。それを大前提に、血糖値を下げなくてはならない。ここで重要になるのは、患者の「できること」を引っ張り出し、それを実行に移すための具体的な方法だ。

「『体重を減らして健康に』というアドバイスは、健康をむしばみます。ダイエットや“体重をコントロールするための行動”は、むしろ体重増加につながることが、複数の研究で証明されています。食生活の改善や運動によって、減量しなくても健康効果を得られるのです」(染原氏)

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