受診までの「応急処置」

【日焼け】アロエやキュウリは効果なし…さらなる悪化も

アロエやキュウリに効果なし
アロエやキュウリに効果なし(C)日刊ゲンダイ

 6~7月は、1年で最も紫外線が強くなる。対策せずにゴルフやレジャーなどで長時間屋外にいると、“うっかり日焼け”を引き起こす。しかし、同じ環境下でも皮膚の反応には個人差がある。「池袋西口ふくろう皮膚科クリニック」(東京)の藤本智子院長が言う。

「紫外線に対する反応性の違いで、大きく3つのスキンタイプに分けられます。タイプⅠは『日焼け直後にすぐ赤くなり、数日後はあとに残らないか、うっすら色がつく』。タイプⅡは『普通に赤くなり、数日後は褐色調になる』。タイプⅢは『あまり赤くならず、数日後は急激に黒くなる』。注意してもらいたいのは、タイプⅠとⅡの人です」

 日本人の割合では、タイプⅠ(白い肌)が20%弱、タイプⅡが60~70%といわれている。皮膚の赤みや腫れ、ヒリヒリした痛みは24時間ほどでピークに達し、ひどいと水膨れもできる。紫外線によって“やけど”した状態だ。屋外から帰宅したら、どのような応急処置をするといいのか。

「とにかく、まず冷やすことです。顔や腕などほてりのある部分を氷マクラ、保冷剤、氷のうなどを使って十分に冷やしてください。よく民間療法でアロエやキュウリを薄く切って、皮膚に張る人がいますが、やってはいけません。効果がないだけでなく、かえって悪化させてしまう可能性があります」

 皮膚の赤みや痛みが強いうちは、入浴は低めの温度のシャワー程度にとどめておいた方がいいという。そして、患部を冷やした後のスキンケアも大切になる。日焼けした皮膚は乾燥するので水分を補う処置をする。

「保湿のやり方は、まず患部を水で洗います。そして化粧水(水分補給)をつけた後に、乳液(水分発散を防ぐ)をつけます。化粧水や乳液は人によって肌の相性が異なるので、選ぶときはつけてピリピリ感のないものを選んでください」

 これらの応急処置をして治まればいいが、1日経っても腫れが引かなかったり、水膨れが出来きているようなら皮膚科を受診してステロイド外用薬を処方してもらった方がいいという。

「紫外線によるダメージの蓄積は、光老化(シワやシミなど)や皮膚がんの発生の原因になります。その紫外線対策の差は老後に出るので、5~9月は日焼け止めを使用した方がいい。日焼け止めの強さは『SPF値』と『PA値(+の4段階)』で表示されています。日常で使うなら『SPF30』以上、『PA++』以上であれば十分です。ただし、1日のうちに午前、午後と塗り直すことが大切です」