独白 愉快な“病人”たち

診断に7年…漫画家・島津郷子さんとパーキンソン病の闘い

「また漫画が描けるようになったことがうれしかった」と語る島津さん(C)日刊ゲンダイ

■「過労」や「うつ病」と診断され……

 震えがひどくなって近所のクリニックへ行ったのは同じ年の半ばです。でも、「パーキンソン病」と診断されるまでには7年もかかりました。その間にどれほどたくさんの病院へ行ったことか……。

 初めは大学病院の神経内科で「過労」と診断されました。当然ですが、処方薬を飲んでも手の震えは悪化するばかりでした。その後、別の病院の精神科を訪れると「うつ病」と診断され、抗うつ薬を処方されました。でも精神的な不安はますます募り、震えはひどくなりました。そして、02年に連載を中断し、長期休暇を余儀なくされたのです。

「自分はパーキンソン病なのではないか」と確信を抱くようになったのは、05年に「パーキンソン・ノイローゼ」と診断されて入院した精神科病棟がきっかけでした。3カ月半、いろいろな薬を試す中、ある薬を飲んだときに手の震えが止まる感覚を覚えたのです。「マドパー(L・ドーパ)」という薬で、後に「これが効いたらパーキンソン病」とされる薬だと知ったのです。

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