重篤な病気起こすことも 心臓カテーテル検査を甘く見ない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■事故率は低いが起きれば深刻

 実際、心臓カテーテル検査で死亡する確率は0.05%、脳梗塞、心筋梗塞、不整脈、造影剤によるアナフィラキシーショックなどの重篤な合併症を起こす確率は0.2%程度あるといわれている。特に多いのが脳梗塞で、カテーテルが大動脈壁や大動脈弁を傷つけて、動脈壁のプラークや血液の塊が飛び、脳を直撃してしまうことがある。

 事故率は低いとはいえ一度起こってしまえばその被害は深刻だ。しびれや麻痺の後遺症が残ったり、寝たきりになったり、最悪、亡くなるケースがまれとはいえある。

「問題は、これらの合併症は医療ミスがなくても一定の確率で起きるということです。命に関わる心臓病が疑われる患者さんのための検査なので、検査を受けない場合のリスクが合併症リスクよりはるかに高いのが普通です。だからといって患者さんは、医師任せの気持ちで受けるべき検査ではないことを理解しなければなりません。最終判断は患者さんが行い、その結果は自身の責任となりますから、万一の時に、大変な思いをしないよう、医師や看護師からよく話を聞いて、危険性と必要性をよく理解した上で、検査を受けるべきです」

 高齢化が進む中で、検査の重要性はますます高まっているが、病院が行う検査の中には危険が伴うものがあることも知っておくべきだ。

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