変異した新型も登場 ノロウイルス性食中毒は夏だって怖い

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 その中でノロウイルス性食中毒にあたるのが①と②のケース。ノロウイルス性食中毒というと、生ガキなどの魚介類、寿司や刺し身などの加工食品をイメージしがちだが事実は違う。それは全体の18.4%に過ぎず、65.7%は飲食店やホテルなどが提供する料理やお弁当、和菓子やケーキ、クレープといった複合調理食品だ。

「最近は乾燥した焼き海苔を細かく刻んだ『刻み海苔』による集団食中毒が複数の小学校で発生するなど、従来では考えられないような食品が原因で起こるノロウイルス性食中毒が増えています」

■発症数が少ない夏だからと油断は禁物

 気になるのは14年ごろから「GⅡ.17」と呼ばれる新型ノロウイルスが発見されていること。従来の型が変異したもので、今後、湿気や暑さに強いノロウイルスが出現しないとも限らない。

「厚労省のデータでは、ノロウイルス性食中毒による死者はゼロとなっています。しかし、もともと体の弱い高齢者が亡くなった場合、ノロウイルスの感染があっても、どの程度影響したのかは分かりません。また、吐いたもので誤嚥することによって起こる誤嚥性肺炎や、吐瀉物を喉に詰まらせて窒息した場合もノロウイルスと結び付けられていないケースがあります。報告がないからといって甘く見てはいけません」

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