有名病院 この診療科のイチ押し治療

【慢性血栓塞性肺高血圧症】東邦大学医療センター大橋病院・循環器内科(東京都目黒区)

東邦大学医療センター大橋病院循環器内科の池田長生医師(右)/(C)日刊ゲンダイ

 全国でも年間50件行っている医師は10人ほどしかいないという。

 具体的には、同科の場合は局所麻酔で首の静脈からカテーテル(細い管)を挿入する。そして心臓を越えて肺動脈に進め、血栓で狭くなっている部分に到達したら、先端のバルーンを膨らませて広げる治療法だ。

「2時間くらいの治療ですが動脈の狭窄部分はいくつもあるので1回の治療では終わりません。だいたい2、3日おいてもう一度治療する患者さんが多いので、入院期間は1週間~10日くらいになります」

 多い人だと7、8回治療(入院4回)する患者もいるが、1人当たりの平均治療回数は3、4回(入院2回)という。主な合併症は、肺動脈を傷つける肺出血。池田医師は過去150~200件(30~40人)の治療で、軽い血タンが出たケースが20件あったが、もちろん死亡例はない。

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