過敏性腸症候群との誤診多し 子供の「クローン病」って?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 原因は分からず、良くなったり悪くなったりしながら炎症は持続する。罹病期間が長くなると、小腸と大腸に縦に走る縦走潰瘍、腸管の狭窄、腸と皮膚あるいは腸管同士の間に通り道ができる瘻孔、腸管の癒着が起こる。痔瘻や肛門周辺の潰瘍を合併することもある。最近、クローン病の新薬(生物学的製剤)が登場した。「これで寛解(炎症が落ち着き症状が出ない状態)を維持できる人が増える」と言うのは、東邦大学医療センター佐倉病院消化器内科・鈴木康夫教授だ。

 最初の生物学的製剤の発売は2002年で、これによって治療は大きく前進した。年1回は入院が必要なほどの腹痛に襲われるのが“普通”だったのが、症状を抑えられるようになったのだ。

「今回の新薬は、クローン病における3つ目の生物学的製剤です。従来の2つの生物学的製剤は有効性が高いですが、症状を十分に抑えられない患者が2割弱。よく効いても2~3年で効果が減少する人が4割。副作用もあります。新薬は従来薬とメカニズムが違うため、従来薬が合わなかった患者、効き目が落ちた患者にも、効果が期待できそうです」

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