受診までの「応急処置」

【突然の腹痛】市販の消炎鎮痛剤を使ってはいけない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「腹痛」といっても、さまざまな病気が考えられる。夜間などすぐに受診できる状況でない場合、どのような応急処置をとるべきなのか。消化器病専門医で「山村クリニック」(東京・茗荷谷)の山村進院長が言う。

「今まで経験したことのない激しい腹痛であれば、夜間でもためらわず救急車を呼ぶべきです。しかし、さほど強くない腹痛で下痢や吐き気、嘔吐(おうと)を伴う場合は食中毒の可能性が高い」

 食中毒は発症までの潜伏期間が病原体の種類によって異なるので、原因に身に覚えのないケースも多い。しかし、食中毒の疑いがあれば取りあえず下痢止めは飲んではいけない。病原体の細菌やウイルスの排出を止めてしまうからだ。

「食中毒の対処で最も大切なのは、下痢や嘔吐で水分が失われるので、こまめに水分補給をして脱水を防ぐことです。そして、安静にして症状の嵐が過ぎ去るのを待つしかありません」

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