放置は危険 その顔の火照りは糖尿病のサインかもしれない

原因は風邪だけとは限らない(C)日刊ゲンダイ

「体の火照りは、皮膚の下の毛細血管が拡張することで起きます。糖尿病による神経障害の表れ方は人によって違いますが、高血糖で自律神経が障害され、顔が火照る場合もあるのです」

 そもそも血糖値が高くなるとなぜ、神経障害が起きるのか?

「インスリンの分泌不足や機能低下によって高血糖の状態が続くと、神経細胞の中にソルビトールと呼ばれる物質が蓄積され、神経がダメージを受けるからです。高血糖により細小血管の血流が悪くなり、神経細胞に必要な栄養や酸素が送れなくなることも、神経障害が進む原因です」

 腎症や網膜症は、糖尿病を発症して数年から10年近く経過しないと表れにくいのに対して、神経障害はごく初期のうちに表れる。つまり、神経障害に気付くか否かが、糖尿病を進行させないための最大の予防策なのだ。

「神経障害はごく初期の段階なら、血糖を厳格にコントロールするだけで健康な状態に戻すことも可能です。改善に数年かかることもありますが、希望はあります。その意味では、いかに早い時期に神経障害に気が付くかは大変重要なのです」

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