■子供の先天性疾患は親が罪悪感を抱えている
以前、ターナー症候群の患者さんの心臓手術を行ったことがあります。他の病院でターナー症候群と診断されていた患者さんで、大動脈弁狭窄症が悪化したことで、私のところに紹介されてきたのです。大動脈弁を交換する弁置換術を行い、いまも社会人として元気に生活されています。
ターナー症候群の患者さんの多くは、女性ホルモンや成長ホルモンを薬で補充する治療が行われますが、突然死を防ぐためには、やはり定期的な検査が必要です。CT、MRI、エコーなどで心臓や血管に異変がないかどうかをフォローすることが大切になります。
前回のマルファン症候群も含め、心臓や血管のトラブルを合併しやすいこれらの症候群は、若くして突然死するリスクが高くなります。だからこそ、なんとしても突然死を防ぐことが重要ですし、現代の医学ではその多くを防ぐことができます。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」