高齢者に多い不定愁訴 「頭鳴り」にはどう対処するべきか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■薬を替えるだけで軽減することも

 原因がわからなければ治しようがないと思いがちだが、かつて日本の国民病だった「かっけ」の治療がそうであったように、先に治療法が発見された後に理論が確立することもある。頭鳴りはどう対処すればいいのか?

「耳鳴りですら治すのは難しいのですから頭鳴りを治すのは困難です。ただ、頭鳴りが起きやすい人や頭鳴りが治った人の行動がヒントになるかもしれません。具体的にはメタボを改善する、禁煙する、毛染めをやめる、ヘルペスを治療する、持病の薬を医師と相談して替えるなどです」

 実際、20年にわたり耳鳴りと頭鳴りに苦しめられてきた70代の男性は、生活習慣を改めたうえで時々感じていためまいの治療のためのカクテル療法を行ったところ、半年ほどして頭鳴りが治まったという。

「患者さんによっては持病の薬を替えただけで耳鳴り・頭鳴りが改善したケースもあります。ただし、治療をしてもすべての患者さんの症状が改善するわけではありません」

 高齢者の不定愁訴には日本の医学はほとんど目を向けてこなかった。今後、この手の研究と治療法の開発が進むことを期待したい。

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