龍驤でのかっけの多発は、この仮説を強く支持します。もともとタンパク質が少ない日本食を食べながらカラオまで航海したのでかっけが多発し、ハワイで日本食の食材が十分に調達できず洋食を取るようになり、タンパク質不足が解消し、かっけが発生しなくなったということです。
現在では、この仮説は間違っていたことがわかっています。しかし、間違っていたにもかかわらず、高木兼寛は海軍でのかっけの克服に成功します。そう書くと、単に運が良くて解決したのかと思うかもしれません。しかし、仮説の内容は間違ってはいたけれど、科学的な考えのプロセスこそが、この先の問題を解決していくのです。
数字が語る医療の真実