堤下も発症 長引く「じんましん」と手を切れる新薬の効果

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「ところが、一部は慢性じんましんに移行します。発症後6週間以上経過し、1種類の標準量の抗ヒスタミン薬で症状が消えない場合は、1年経っても治癒率は10%超なのです」

 2年目で治癒率は14%弱、5年目で治癒率は28%弱。大方の患者は“出ては消える”を繰り返し、打てる手といえば、抗ヒスタミン薬を飲むか、保険適用外で副作用のリスクのある治療に臨むかしかない。

 製薬会社が行った調査では、多くの患者が「症状が完全になくならない」「根治しない」点に不満を抱えていた。

「生活の質は著しく下がり、イライラ、ストレス。眠りを妨げられる、集中できない、などの声があります」

■従来薬とは違うメカニズム

 今回、承認された新薬「オマリズマブ(商品名ゾレア)」は、従来薬とは違うメカニズムで作用する。血中のIgEと呼ばれる物質と結合し、IgEが皮膚炎症の原因となるマスト細胞と結合できなくする。炎症を根本から抑え、じんましんを起こらないようにするのだ。

3 / 4 ページ

関連記事