がんが脊髄を圧迫して下肢が動かなくなってから48時間以内に手術を受け、その圧迫がとれれば麻痺は回復する可能性があります。その48時間が勝負です。ただ、本当に元通りに回復するかは手術してみないと分かりません。Tさんは幸いなことに手術が間に合い、無事に回復されたのです。
脊髄を圧迫しているがんの手術では、がんが肺や他の臓器にたくさんあった場合など手術できないことが多くあります。
■溶骨型の骨転移は骨折しやすくなる
また、手術を行ってもがんが取り切れない、手術がうまく成功しても麻痺は治らないこともあります。これまで、麻痺がきても手術で回復した方、そのまま麻痺が残った方、そのどちらも目にしてきました。
その先、完全に下半身が麻痺したまま暮らすのか、歩いて生活できるのかどうかは患者さんにとって大きな違いです。
がんと向き合い生きていく